『ウィ・ラヴ・ブラジル』 (オムニバス)

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小保方氏のSTAP200回成功、「自家蛍光」か
2014/9/1 23:59
日本経済新聞 電子版

 理化学研究所丹羽仁史プロジェクトリーダーらが8月27日に公表したSTAP細胞の検証実験の中間報告では、22回実験して半数以下で細胞の塊らしきものが見えた。緑色の蛍光も出たが、波長を変えて観察すると赤色の光も発していた。

 これは細胞が死ぬ時にみられる「自家蛍光」に似た現象だ。小保方晴子氏が「200回作製に成功した」と言ったのは自家蛍光とみられ、STAP細胞はできていなかった可能性が高まった。

 今回報告した内容は小保方氏らが英科学誌ネイチャーに掲載し、後に撤回した論文に沿った方法で、様々な細胞に育つ万能細胞を作れるか試みた結果だ。マウスの脾臓(ひぞう)から血液細胞を取り出して弱い塩酸に浸し、1週間培養した。論文通りの細胞の塊ができたか、万能性を獲得したかなどを調べた。

 マウスに万能性の目印となる人工遺伝子をあらかじめ組み込み、これが働くと緑色の蛍光を発する仕掛けをしておいた。一部のマウスは人工遺伝子を使わず、もともと体内にある遺伝子の働きの変化をやはり緑色の蛍光を使って調べた。

 緑色と赤色の蛍光が観察できたため、検証実験責任者の丹羽氏は「自家蛍光と判断される」と説明した。自家蛍光の可能性を排除する確認作業が不十分なまま、小保方氏らがSTAP論文を発表した疑いが強まった。

 3月の最終報告に向け、今後は別系統のマウスを使い、脾臓ではなく肝臓や心臓の細胞でも実験する。この方法ならSTAP細胞を作りやすいかもしれないという。細胞を細いガラス管に通す、細胞膜に穴を開ける、化学物質で刺激するなどの方法も使う。

 もし緑色の蛍光のみが出た場合、万能性ありと判断できるかは、既知の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞と光の強さが同程度かどうかが目安となる。どの強さの光がどんな頻度で出たかの情報がいる。光っただけでは不十分で、細胞をマウスの胚に入れて全身の組織に育つことを示す必要がある。
編集委員 安藤淳